現代人は常に時間に追われており、「時間がない」という言葉は、至るところで飛び交っています。
そもそも、なぜ時間がないのでしょうか。
それはやるべきことが多いからでも、生産性が低いからでもありません。
理由は2つあります。
1つ目は、忙しいのをよしとする「多忙中毒」に陥っていること。
2つ目は、スマホのアプリなど、コンテンツがたえず補充される「無限の泉」に主導権を奪われてしまっているためです。
スマホのコンテンツがこんなにも充実していると、なんとなくスマホを開いた時に気づいたら長時間スマホを触っていた、なんてことも多々ありますよね。
本書の原題は「MAKE TIME(メイクタイム)」。
- 人生で本当に大切なことは何か
- 自分はそれに十分に時間をかけられているか
- 集中を妨げているものは何か
これらを意識して改善していけば、人生の満足度も驚くほど変わると、本書は明言しています。
今回は、どれも今すぐに実行できるものばかりを紹介していきますので、普段から時間がないと悩む方は、ぜひ試してみてください。
「4ステップ」を毎日繰り返す
まずは、全時間を最適にデザインするための仕組みを紹介します。
1日の中で、時間を作るためには、
- ハイライト
- レーザー
- チャージ
- チューニング
4ステップから成ります。
では、それぞれどのような意味なのでしょうか。
まずは簡単に説明していきます。
1.ハイライト
最初のステップでは、その日に優先する「ハイライト」を1つ決めます。
これは、「何のために時間をつくるのか」を決めるということです。
最優先事項を決めることで、前向きで積極的な気持ちになれます。
2.レーザー
ステップ2では、そのハイライトに「レーザー光線のように集中」し続けることです。
そのためには、あなたにとって「気を散らすもの」を撃退することが必要です。
3.チャージ
そしてステップ3として、時間と注意力を1日中コントロールするために、「エネルギー」を蓄える(チャージする)。
具体的には、
- 運動
- 食事
- 睡眠
- 静寂な時間
などで「脳を充電」することです。
4.チューニング
最後のステップ4では、1日を振り返って寝る前に簡単な「メモ」をとることです。
その日のエネルギーレベルがどうだったか、ハイライトの時間をつくれたか、その日何に喜びを感じたかを振り返るのです。
成功のコツは「選ぶ、試す、繰り返す」
本書ではメイクタイムを実践するための87もの戦術を紹介しています。
もちろん、すべての戦術を一気に試す必要はありません。
むしろ、自分に合った戦術を選び、試し、繰り返すことが大切です。
初めてメイクタイムを実践する日は、各セクションから戦術を1つずつ選ぶくらいで良いでしょう。
毎日実験をして、効果があるかどうか確かめましょう。
そうすることで、自分に合った完璧なシステムをつくることができます。
メイクタイムを実践すると、大事なことをやる余裕が生まれます。ぜひ取り入れやすいものから順にやってみて、毎日に喜びを見つけていきましょう。それでは、上記の4ステップを具体的に解説していきます。
ハイライト
目標の3つの選び方
ハイライトとは、毎日に「ちょうどいい目標」を置くことです。
それを決めるには、次の3つの基準をもとにするとよでしょう。
- 緊急性
- 満足感
- 喜び
今日やらなくてはいけない、急を要することは何かという「緊急性」。
2つ目は、何を選べば1日の終わりに最大の満足感が得られるかという「満足感」。
3つ目は、今日という日を振り返ったとき、いちばん喜びを感じられるのは何をしたときかという「喜び」です。
これら3つの基準のうち、その日何をメインに置くのかは、直感で決めて大丈夫です。
1つの目安としては、ハイライトは60~90分くらいでできる内容を選ぶのが良いでしょう。
それだけあれば意味のあることができますし、それくらいの時間なら無理なく予定に入れることができるでしょう。
ハイライト(目標)を選ぶ
実施するための時間をつくる
何をやるかが決まったら、次は「いつやるか」を予定表に書き込みましょう。
それによって、1日の時間の使い方を考えざるを得なくなるからです。
そうやって予定を組み立てていくうちに、時間の感覚が身につき、1日1日をデザインできるようになります。
レーザー
気を散らすもの
ハイライトを選んで時間をつくったあとは、集中することが欠かせません。
ですが、それが難しい。。。
人間は、
- SNS
- ネット動画
- テレビ
などに気を取られ、集中力を奪われてしまうからです。
平均的なiPhoneユーザーは1日に80回もロックを解除するそうです。
また、他の調査によると、モバイルユーザーが1日にスマホを触る平均回数は2617回だといいます。
特に10代、20代はスマホを触る回数が多いですね。こうした世界では、意志力だけでは集中を保つことができません。
スマホ依存症の症状ついては、以下のリンクで詳しく解説しています。

現代の社会は、生活を便利で楽しいものにしてくれます。
ですが、目標を実施するために集中するには、スマホやアプリを自らコントロールし、質の高い時間をつくる必要があります。
そこで、集中を維持するために「レーザー戦術」の出番となります。
スマホを操れ
レーザー戦術の1つは、「気が散らないスマホ」を使うことです。これは、時間と注意を取り戻すためにいちばん単純で強力な方法です。
まずはソーシャル系のアプリを削除する。次にゲームやニュース、動画アプリなど、おもしろいコンテンツを無限に供給するアプリを、全部削除しよう。そしてメールアカウントを削除し、ウェブブラウザを無効にすれば完成だ。
このようなことが出来ればもう完璧ですが、なかなか難しいですよね(笑)
なので、
- SNSの通知は消す
- ゲームなどのアプリはホーム画面から消す
などして、自分から遠ざけましょう。
地図や天気、音楽のアプリなど、比較的害が少ないものだけを残しておきましょう。
この状態のスマホを24時間使えば、意外と不便でないことに気づくはずです。
とにかく、スマホを少し不便にして、遠ざけることが、すばらしい時間を過ごすこために重要となります。
「無限の泉」を遠ざける
- LINE
ほとんどの人は、どうしてもやらずにはいられない、強力な「無限の泉」を1つは持っています。
僕の場合はTwitterです。
朝起きたら無意識に開いている自分がいて、ゾッとします(笑)
あなたにとっての無限の泉を遮断することができれば、すがすがしい気持ちになれます。気を散らすものを見えなくして初めて、やりたいことに全力で取り組めます。
私がおすすめする対策は、寝室にスマホを持ち込まないことです。
目覚ましには目覚まし時計を使いましょう。
朝起きた時にスマホがベッドの近くにないことで、貴重な朝の時間にダラダラと寝転がりながらスマホを触るという無駄な時間をなくすことができます。
もっといえば、インターネット回線を切断してもいいし、インターネット契約そのものを解約するのもよいでしょう。(極論)
SNS「即レス」しない
メールチェックや返信は、時間の多くを奪っています。
メールチェックの回数を意識的に減らすことで、ストレスを大幅に削減することができます。
メールをなるべく早く返信する必要はなく、むしろ遅らせた方が良いでしょう。
「即レス文化」を拒絶し、自分のハイライトを優先しましょう。
メールをさばくより大事なことに集中した方が、多くを達成できるはずです。
チャージ
動き続ける
メイクタイムに欠かせないのが「チャージ」、つまりエネルギーを高めることです。
エネルギーがあるときは集中力を維持しやすく、さらには優先順位を守り、気を散らすものを避けやすい効果があります。
ではどうすればエネルギーを高められるのでしょうか。
著者たちが人間の体について徹底的に研究した結果、古代人のように生活するとよいことがわかりました。
まずは体を動かすことです。
すると脳がよく働き、ストレスが減り、睡眠の質も高くなるという好循環が起こります。
運動は20~30分ほどで大丈夫です。
毎日継続することが大切であり、歩くだけでもいい効果はあります。
ウォーキングが日課になると、思索や瞑想の時間が増えます。
歩きながら考え事をしたり、頭の中でハイライトに取り組んだりできるからです。それ以外にも、自炊をしたり、階段を使ったりするだけでも、日常の中で体を動かすことができます。
「カフェイン」をうまく使う
例えば、朝はカフェインの力を使わず自然に目覚め、9時半から10時半までの間に、コーヒーを1杯飲む。
そして最後の1杯は、昼1時半から2時半までの間に飲み、夜には飲まない。
こうすることで、日中の仕事時間にはしっかりと集中し、夜には良質な睡眠をとることができます。
また、カフェイン入りの飲み物の多くに、多量の糖分が含まれることにも注意したい。
糖分は素早くエネルギーになりますが、高いエネルギーを維持するのには役立たちません。
カフェインと糖分は別々に摂ったほうが良いでしょう。
チューニング
毎日を見直しする
メイクタイムの最後のステップが、科学的な「チューニング」です。
科学とは、
- 何が起こっているかを「観察」
- なぜそれが起こっているかを「推測」
- 仮説をテストするための「実験」
- 結果を「測定」
メイクタイムも科学的方法に基づいています。
ハイライト、レーザー、チャージの各ステップを実行すれば、大きな成果が得られるという仮説を立てています。あとは自分自身の生活で実験し、データを測定していきましょう。
結果を記録するために「メモ」をとる
データの収集は簡単です。
- ハイライトの時間をつくれたか
- どれくらい集中して取り組めたか
こうしたことを毎日振り返って、メモをとりましょう。
その際に、何がうまくいって何がうまくいかなかったかを書きとめ、翌日の計画を立てるのに役立てます。
ポイントは、「今日の感謝の瞬間」を書くことです。
感謝の瞬間を味わうことで、実験がうまくいかない場合でも、メイクタイムのための苦労が報われます。
それが明日も継続しようという意欲を高めてくれるでしょう。
「いつか」を今日にする
優先事項を見極める習慣ができると、生活が変化していきます。
メイクタイムによって、キャリアを長期的、持続的に高みに押し上げ、趣味やサイドプロジェクトで、さらに充実した日々を送れるでしょう。
メイクタイムは、好きなことのための時間を増やし、もっと集中できるようになるためのものです。自分が輝ける時間をつくることを「いつか」まで待つ必要はありません。今日始めてみましょう!
まとめ
私たちは、「忙しい」「時間がない」という言葉を簡単に使っていますが、実は自分の生活の中で見直すべきところはたくさんあることに、気づかされた方が多いのではないでしょうか。
特に10代や20代のような若い世代は、スマホに依存している方が多いので注意が必要ですね。
上記の本は、今回紹介した以外にも87の時間のワザを解説してくれています。興味のある方は、是非読んでみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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